横須賀美術館で開催された「ブラチスラバからやってきた！世界の絵本パレード」を見に行き、絵本の世界を楽しみました。
ブラティスラヴァ・イラストビエンナーレ（BIB）の切手は、ポスティオ・マルシェの収集テーマの1つです。
歴代の受賞作品の切手をご紹介します！
ブラティスラヴァと世界絵本原画展について
ブラティスラヴァ（Bratislava）は、オーストリア、ハンガリーに接するスロバキアの首都です。
日本ではブラチスラバ、またはブラチスラヴァと書かれることもあります。
ブラティスラヴァ世界絵本原画展（ブラティスラヴァ・イラストビエンナーレ：略称BIB = Biennial of Illustrations Bratislava)は、ブラティスラヴァで2年ごとに開催される、世界最大規模の絵本原画コンクールです。
1965年にユネスコと国際児童図書評議会の提唱によって創設され、1967年、当時のチェコスロバキアで第1回展が開催されました。
各国の今を代表する絵本のイラストレーションが一堂に会する機会として高い評価を得ています。
これまでのグランプリ受賞者です。
1967年 瀬川康男（日本） 『ふしぎなたけのこ』
1969年 エヴァ・ベドナジョヴァ（チェコスロバキア）
1971年 アンジェイ・ストゥルミーウォ（ポーランド）
1973年 リーゼロッテ・シュヴァルツ（ドイツ）
1975年 ニコライ・ポポフ（ソビエト連邦）
1977年 ウルフ・ロフグレン（スウェーデン）
1979年 クラウス エンジカット（東ドイツ）
1981年 ロアル・アルス（デンマーク）
1983年 ドゥシャン・カーライ（チェコスロバキア）
1985年 フレデリック・クレマン（フランス）
1987年 ハンヌ・タイナ（フィンランド）
1989年 マリアン・ムラフスキ（ポーランド）
1991年 スタシス・エイドリゲヴィチウス（ポーランド）
1993年 ロレンツォ・マトッティ（イタリア）
1995年 ジョン・ロウ（イギリス）
1997年 マルタン・ジャリ（フランス）
1999年 中辻悦子（日本）
2001年 エリック・バトゥー（フランス）
2003年 出久根育（日本）
2005年 アリーレザー・ゴルドゥーズィヤーン（イラン）
2007年 アイナール・トゥルコウスキィ（ドイツ）
2009年 ホセ・アントニ・タシアス・ペネラ（スペイン）
2011年 チョ・ウンヨン（韓国）
2013年 エヴェリーネ・ラオベ、ニーナ・ヴェーアレ（スイス）
2015年 ローラ・カーリン（イギリス）
2017年 ルトウィヒ・フォルベーダ（オランダ）
2019年 ハサン・ムーサヴィー（イラン）
2021年 エレナ・オドリオソラ（スペイン）
2023年 パロマ・バルディビア（チリ）
ブラティスラヴァ世界絵本原画展の記念切手
記念切手は前回（2年前）のグランプリ、金のりんご賞、金牌、ブラティスラヴァ市長賞 の受賞作家を中心にデザイナーが選ばれていますが、関連のあるデザイナーに依頼されることもあります。
1971年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展（1967年・1969年）
ブラスティスラヴァ世界絵本原画展の記念切手は1971年に初めて発行されました。
1967年 グランプリ・瀬川康男『ふしぎなたけのこ』
ブラスティスラヴァ絵本原画展、記念すべき第1回グランプリは、日本人の絵本作家、瀬川康男（1932-2010）さんの『ふしぎなたけのこ』です（画像下）
1969年 グランプリ・エヴァ・ベドナジョヴァ『中国の不思議な物語』
ブラスティスラヴァ絵本原画展、第2回グランプリは、チェコスロヴァキアの版画家で画家のエヴァ・ベドナジョヴァ（Eva Bednářová 1937年5月8日 – 1986年12月6日) 『中国の不思議な物語（ČÍNSKÉ CUDOVÉ ROZPRÁVKY）』（画像右上）
ミルコ・ハナアク『Animal Folk Tales（動物のはなし）』
1968年に初版が発行された『Animal Folk Tales（動物のはなし）』の切手です。
ミルコ・ハナアクについてはこちらの記事もご覧ください。
1975年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
ニキータ・チャルーシン（Nikita Charushin）など5枚セットです。
1977年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
ヴィエラ・ボンボヴァ（Viera Bombová）「Pasáček a zlatá paní, slovenské pohádky」など5枚セットです。
1979年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
カシュ・ヤノシュ、カレル・スヴォリンスキーなどなど5枚セットです。
1981年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
1983年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
1985年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
1987年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
1989年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
1991年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
左はドイツ人 ビネッテ・シュローダー（Binette Schroeder）、右はポーランド人 スタシス・エイドリゲヴィチウス（Stasys Eidrigevičius）のイラストです。
ここまでがチェコスロバキア郵政の発行です。
1993年1月にチェコスロバキアはチェコとスロバキアに平和的に分離、ブラティスラヴァはスロバキアの首都になりました。
1993年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
1991年金のりんご賞のレーン・スミス「The Big Pets」のイラストです。
この年からスロバキア郵政発行になります。
1995年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
1993年のグランプリ、ロレンツォ・マットッティ（イタリア）『エウジェニオ』のイラストです。
ロレンツォ・マットッティはイタリア人初のグランプリです。
ドゥシャン・カライ(Dušan Kállay)『世界を通しての真実の真実』のイラストです。
1997年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
ヤナ・キセロヴァ＝シテコヴァ（Jana Kiselová-Síteková）のイラストです。
1999年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
フランス人イラストレーター、マルティン・ジャリーのイラストです。
2001年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
ドゥシャン・カライに師事したスロバキア人作家、ペーター・ウフナール『ガリバー旅行記』のイラストです。
1999年のグランプリは、造形作家・中辻悦子さんの『よるのようちえん』です。
2003年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
2001年の金のりんご賞、ヤナ・キセロヴァ＝シテコヴァ（Jana Kiselová-Síteková）『おやゆびひめ』のイラストです。
2005年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
2003年のグランプリ受賞作品、出久根育さんの『あめふらし』のイラストです。
FDCの猫のイラストは、出久根さんが師事したドゥシャン・カーライ教授が描いています。
2007年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
2005年の金のりんご賞を受賞したスロバキアのイラストレーター、ルボスラフ・パロ（Luboslav Palo）『Nicht erwischt !（誰も知らない）』です。
2009年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
2007年のグランプリ受賞作品、アイナール・トゥルコウスキィ『Es war finster und merkwürdig still（まっくら、奇妙にしずか）』
これまでカラフルな作品の受賞が多い中で、細い線で表現された作品のグランプリは新鮮でした。
2011年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
2009年に金のりんご賞を受賞した、スロバキア人、マルチナ・マトロヴィチョヴァー（Martina Matlovičová）の切手です。。
2013年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
2013年の金のリンゴ賞を受賞作品、トマーシュ・クレポフ（Tomáš Klepoch 1981-）『Ruda Sloboda Ako som sa stal mudrcom』の挿絵をモチーフにした切手です。
2015年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
この年は前年度の2013年の受賞者ではなく、ドゥシャン・カーライ（Dušan Kállay 1948-）のデザインでした。
切手シートのタブには1983年の受賞作品のイラストが描かれています。
押印シートにはドゥシャン・カーライ版『不思議の国のアリス』と組み合わされています。
2017年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
2015年のブラティスラヴァ市長賞受賞作品、スロバキア人イラストレーター、ヴェロニカ・クリーモヴァ（Veronika Klímová） 『深海の物語（Hlbokomorské rozprávky）』です。
2013年にはスロバキアで「最も美しい児童書」も受賞しています。
2019年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
ハンガリーのデザイナー、ヴラディスラフ・ロストカ（Valdislav Rostoka 1948-）のイラスト、このシリーズで初めてセルフ糊切手が採用されました。
ヴラディスラフ・ロストカは2003年にブラティスラバ、スロバキア国家デザイン賞を受賞していますが、ブラティスラヴァ世界絵本原画展の受賞の記録はありません。
2021年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
2019年グランプリ受賞作品、イラン人イラストレーター、ハッサン・ムーサヴィー（Hasan Mousavi）『ボクサー（Boxer）』のイラストです。
2023年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
2021年グランプリ受賞作品、スペイン人イラストレーター、エレナ・オドリオソラ（Elena Odriozola）『混ぜこぜの気持ち（Sentimientos encontrados）』のイラストです。
2025年発行・ブラティスラヴァ世界絵本原画展
2023年グランプリ受賞作品、チリ人イラストレーター、パロマ・バルディビア（Paloma Valdivia）『問いかけの本（The Book of Questions）』のイラストです。
まとめ
ブラティスラヴァ世界絵本原画展＝ブラティスラヴァ・イラストビエンナーレ（BIB）に合わせて発行される切手をご紹介しました。
1993年まではチェコスロバキア、1993年以降はスロバキアから発行されています
奇数年の2年に1回の発行が毎回楽しみです。
これからも追記していきます！
ポスティオ・マルシェでは「絵本・童話・神話」のグループで「ブラティスラヴァ世界絵本原画展」の切手を販売しています。ぜひご覧ください。
（掲載の切手の一部は個人コレクションです）
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