親愛なるエリザベス女王様、英国切手と格調のデザイン

こんにちは!ポスティオマルシェです。

2022年9月8日、英国に親しみを持つ人々にとって悲しい1日になりました。

私は切手の発祥の地でもあるイギリスが大好きです。

イギリスの切手は素敵なデザインがたくさんあります。

ポスティオ・マルシェを始めた2005年から英国の切手とは縁があり、常時200種以上取り扱っています。

現在のイギリスの切手にはエリザベス女王の肖像がシルエットで印刷されています。

これはかつて、切手の絵柄が女王の肖像画だったことに由来します。

こちらは1840年に発行された世界初の切手「ペニー・ブラック」と「ペンス・ブルー」です。

画像引用:国立印刷局HP

ヴィクトリア女王(Victoria、1819- 1901)・・エリザベス女王の高祖母(祖母の祖母)です。

時を経てエリザベス女王(1926年4月21日- 2022年9月8日、在位: 1952年2月6日 – 2022年9月8日 )の時代になり、1952年に普通切手が発行されました。

1952年発行の普通切手

こちらは当時の切手をモチーフにした2008年発行の小型シートです。

2008年発行・地方切手50周年

記念切手としては、1962年にデビット・ジェントルマンがデザインした「国際生産性年」を例にあげます。

グラフィックデザインと楕円の中に描かれたエリザベス女王の肖像が不思議なバランスで、これがこの時代の味になっています。

1962年 ジェントルマンデザイン「国際生産性年」

この肖像画との組み合わせで好きなのはこちらの2種です。

1963年発行「ナチュラルウィーク」と「郵便会議100年」

植物や動物のかわいらしさととエリザベス女王のやさしい表情がぴったり合っています。

しばらくはこのような、デザイン+女王の肖像の組み合わせで切手が発行されていましたが、造幣局が硬貨(コイン)作成のためにデザインした「女王の貨幣肖像」が使われることもありました。

1969年発行・コンコルド(3)

彫刻家、メアリー・ギリック(Mary Gillick 1881-1961)が1953年に製作した貨幣肖像画です。

王立造幣局諮問委員会 (RMAC) が開催したコンテストで、17作品の中から選ばれました。

彫像のために、社交界の写真家、ドロシー・ワイルディングがエリザベス女王の横顔を撮影しました。

メアリー・ギリックは、あえて王冠ではなく、代わりに月桂冠を身に着けた、若い君主の新鮮な印象の肖像画でコンテストに優勝しました。

月桂冠とは

葉のついた月桂樹の枝を輪にして冠としたもの。 古代ギリシャで、競技の優勝者などに名誉のしるしとして与えた。 転じて、最も名誉ある地位、そのしるし。(goo国語辞典)

切手はデザインに対して右上に配置され、横顔は絵柄の方に向いているような左向きが多いです。(右向きもあります)

「ペニー・ブラック」の時から左向きなのですね。

イギリス・1978年発行・女王戴冠式25年

女王の肖像は、彫像を経て、さらに記念切手のデザインを生かすような流れになります。

1966年に発行された「ワールドカップ」では女王の肖像はシルエットが採用されました。

このシルエット画像を進めたのがデビッド・ジェントルマンだったと言われています。

シルエット画像で頭の後ろの紐のようなものはなんだろう?と思っていたのですが、謎が解けました。

月桂冠の結び目だったのですね。

それ以降もエリザベス女王のシルエット画像はイギリス・ロイヤルメール(Royal Mail)発行の切手に欠かせないものとなりました。

エリザベス女王・生誕90年の切手シートのシルエット画像は、チャールズ3世とエリザベス女王は右向き、ウイリアム王子とジョージ王子は左向きと、2組が内側に向いています。

国民を思う気持ちがこんなところにも表現されているようで、心が温かくなるのは私だけでしょうか。

イギリス・2016年・エリザベス女王生誕90年

ロイヤルメール(Royal Mail)はイギリス(連合王国)で郵便事業を営む企業です。歴史は1516年までさかのぼります。イングランド王・ヘンリー8世は郵政長官(Master of the Posts)のポストを新設し、後に郵政大臣(Postmaster General)へと改変されました。ロイヤルメールのサービスは1635年にチャールズ1世によって一般利用が可能となり、現代に続いています。

Royal Mailは、エリザベス女王の逝去にあたり、特設ページを「A life in stamps」を開設しました。

Royal Mail エリザベス女王のページ A life in stamps

切手ファンの間ではよく知られていることなのですが、イギリスの切手には国名の表記がありません。

1964年、世界の郵便のルールを統括する国際組織、万国郵便連合(UPU)は会議で

「1966年以降、切手にはローマ字で国・地域名を表記する」ことを採択しました。

イギリスは、1840年に初めて切手が発行された国で、女王の肖像画だけでイギリスの切手とわかること、最初の国に敬意を表しての特別扱いなのだとか。

そして、今年2022年2月4日に発行された『エリザベス女王即位70周年』はご本人の切手なので、シルエット画像もありません。

英国ロイヤルメールのエリザベス女王への敬意を感じます。

いつまでも切手の中でエリザベス女王の穏やかな笑顔に会うことができることを幸せに思います。

これからもコレクションを続けていきます。

ポスティオ・マルシェ・イギリスの切手 https://www.postio.jp/

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