
こんにちは!
メキシコが1970年代から発行した普通切手シリーズ「メヒコ・エクスポルタ(México Exporta)=メキシコは輸出する」
イチゴやコーヒーといった身近な農産物から、銀細工や自動車部品まで、当時のメキシコが世界に売り込みたかったものが詰まっています。
グラフィックデザインとしても優れていて、一度見ると忘れられません。
今日は私のコレクション「メヒコ・エクスポルタ(México Exporta)=メキシコは輸出する」切手を並べてご紹介します!
「メヒコ・エクスポルタ」どんなシリーズ?
「メヒコ・エクスポルタ」は、メキシコが自国製品の輸出振興のために1975年から発行を始めた普通切手シリーズです。
デザインを手がけたのはラファエル・ダビドソン(R.Davidson)。
1枚の切手に1つの製品をシンプルに描く、アイコンのようなミニマルなスタイルが特徴です。
全体では28のモチーフ、額面違いや刷色違いを含めると100種類を超えるバリエーションがあるそうで、1993年まで発行されました。
当時のメキシコはインフレが進んでいた時期でもあり、同じ図案のまま額面や色だけを変えて刷り直すということが繰り返されていました。
同じイチゴやコーヒーの絵柄でも、色違い・値段違いのものが何種類も存在します。
「メイド・イン・メキシコ」を世界にアピールするという、国を挙げてのブランディング切手だったのです。
私のコレクションは、全種類まではないのですが、本からアワビまでバラエティ豊かなラインナップが揃いました。
まずはその中でも一番好きなイチゴとコーヒーからご紹介します!
まずはこの2枚、イチゴ&コーヒー
イチゴ_FRESAS

ピンク色のイチゴの実をトリミングしているところがレトロな雰囲気を出しています。
メキシコは今も昔もいちごの一大産地で、この切手は輸出力を世界にアピールするための1枚です。
コーヒー_CAFE

メキシコはチアパスやベラクルスなど山岳地帯でのコーヒー栽培が盛んで、輸出産業としても重要な位置を占めてきました。
湯気の描き方で「淹れたて感」まで表現していて、なにげなくコーヒー豆も描かれているのが好きなポイントです。
続いて「食べ物」「工芸」「工業製品」「そのほか」の4つに分けて掲載していきます。
メキシコの輸出品:食物
テキーラ(アガベ)TEQUILA

テキーラのボトルと、原料となるアガベ(リュウゼツラン)を緑色で重ねたように描いています。
はちみつ_MIEL

オレンジ色の六角形のハニカム模様に、白いミツバチが大きく描かれたデザイン。
メキシコはユカタン半島を中心にはちみつの輸出量が多く、切手で存在感を主張しています。
トマト_TOMATE

赤いトマトの断面をシンプルに描いています。
形と色だけで「トマト」と分からせるデザイン力に感心してしまいます。
柑橘類(ライム)CITRICOS

黄緑色のライムを輪切りにした断面がかわいい切手です。
メキシコは今でも世界有数のライム輸出国です。
牛と食肉_GANADO Y CARNE

牛の輪郭に部位番号を振った、食肉の部位図が切手のモチーフになっています。
教科書の図解のようなデザインですが、畜産・食肉が主力輸出品だったことが伝わってきます。
アワビ_ABULON

初めて見た時、なんだかわかりませんでしたが、左下の「ABULON」の文字でアワビとわかりました。
青緑の波模様の中に、殻の呼吸穴が並ぶアワビの姿を描いています。
メキシコ西海岸(バハ・カリフォルニア)はアワビの好漁場として知られ、水産物としての輸出をアピールする1枚です。
メキシコの輸出品:工芸品
銀細工と宝飾品_PLATERIA Y JOYERIA

縄模様の銀細工に紫色の宝石があしらわれたデザイン。
メキシコの銀細工といえば「銀の街」として知られるタスコ(Taxco)が有名です。
鍛造鉄(たんぞうてつ)HERRO FORJAOO

渦巻き模様が美しい鍛鉄細工の丸い装飾を、グレー一色で描いた1枚。
門扉や照明器具などに使われる鍛鉄工芸は、メキシコの伝統的な金属工芸のひとつです。
靴_ZAPATOS

革靴2足を、 シンプルな線画で描いた1枚。
メキシコの皮革・靴産業は昔から輸出の柱のひとつで、実用品を淡々と描くスタイルがこのシリーズらしいです。
メキシコの輸出品:工業製品編
デニム_MEZOLILLA

オーバーオールのデザインが特徴的です。日用品の一部を切り取ってモチーフにするセンスが面白いです。
コットン(綿花)ALGODON

デニムの原料でもあるコットン(綿花)は、繊維産業を支える重要な輸出品として選ばれました。
電子部品_COMPONENTES ELECTRONICOS

回路基板の配線パターンを描いています。1970年代から電子部品の輸出加工が盛んだったメキシコの一面がうかがえます。
電線・電気ケーブル_ELECTRICOS CONDUCTORES

紫色の電線と、切り口に見える銅線の束がモチーフです。
銅の産地でもあるメキシコらしく、電線・ケーブル産業も重要な輸出品目のひとつです。
自動車_VEHICULOS AUTOMOTORES

自動車産業はメキシコ経済の柱のひとつで、乗用車ではなくトラックを選んでいるのもポイントです。
自転車_BICICLETAS

自転車の前輪とフレーム描いていますが、他の切手と比べて細密で写実的な表現です。
自動車部品_PARTES AUTOVIOTRICES

モノトーンのピストンと連接棒が2組、直線的な図案で描かれています。
完成車だけでなく部品単体も輸出の主力だったことが、わかります。
鋼管_TUBERIA DE ACERO

赤いストライプに丸いリベットを重ねた模様で、鋼管をグラフィカルに表現した1枚。
原油・天然ガス産業を支える資材として、鋼管も重要な輸出品でした。
農業機械_MAQUINQRIA AGRICOLA

赤と黒の幾何学模様で、農業機械の歯車やレバーを抽象的に表現した1枚。モダンでかっこいいです。
$1000の額面に注目です。
化学製品_PRODUCTOS QUMICOS

フラスコを太い線で表現して、化学工業らしい抽象さ印象に残ります。
鉱物(鉛・亜鉛)MINERALES

鉛(Pb)と亜鉛(Zn)の元素記号がモチーフです。
メキシコは今も世界有数の銀・鉛・亜鉛の産出国で、地下資源の輸出力を化学記号だけで見せているデザインです。
メキシコの輸出品:そのほか
映画フィルム

黒・赤・緑=メキシコの国旗色の映画フィルムのコマを配置したデザイン。
1970年代はメキシコの映画産業に勢いがありました。フィルムそのものをモチーフにするという発想がユニークです。
書籍・科学・芸術・文学

書籍(LIBROS)・科学(CIENCIA)・芸術(ARTE)・文学(LETRAS)の4分野を、積み上げた本でシンプルに表現しています。
このシリーズの中では珍しく「モノ」ではなく「知的活動」を輸出品として扱っているのが特徴です。



同じ図案のまま、青(50ペソ)・ピンク(35ペソ)・オレンジ(40ペソ)と、色や額面を変えて何度も刷り直されており、当時のインフレの影響をバリエーションから感じ取ることができます。
おわりに
メキシコの切手「メヒコ・エクスポルタ(輸出品)」のコレクションをご紹介しましたが、いかがでしたか?
1枚1枚は本当にシンプルなデザインなのですが、こうして並べてみると「1970年代のメキシコが世界に何を売り込みたかったのか」が浮かび上がってくるようです。
見れば見るほど面白いシリーズです。
個人的には、いちごやコーヒーのようなポップな図案と、化学製品や鉱物のような無機質な図案が同じシリーズの中に同居しているギャップがお気に入りです。
みなさまのコレクションの中にも、もしかしたら「メヒコ・エクスポルタ」の1枚が紛れているかもしれません。
まだ入手できていないものもありそうなので、これからもチェックしていきます。
また、ぜひ見に来てください!
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