【美術館散歩】マリメッコ展 2026|東京都庭園美術館で見た模様のちから|見どころ・感想

こんにちは♪ 2026年10月3日から12月20日まで、目黒区にある東京都庭園美術館で開催中の『マリメッコ展 模様のちから』を観てきましたのでご紹介します!

フィンランドのデザインハウス・マリメッコのプリントとドレスが、アール・デコ様式の旧朝香宮邸を彩る展覧会です。

本館では歴史的な館の空間とドレスの響き合いを、新館ではヘルシンキのプリント・ファクトリーの世界を映像で体感できます。

マリメッコ好きの方はもちろん、建築好きの方にもおすすめです。

目次

マリメッコって、どんなブランド?

マリメッコは、1951年にアルミ・ラティア(1912–1979)によってフィンランド・ヘルシンキで創業されたブランドです。

独自のプリントと鮮やかな色彩で、人々の日常に喜びをもたらすことを使命としてきました。

これまでに生まれたプリント・デザインは3,500種類以上にのぼるそうです。

「私たちの使命は、大胆なプリントと色彩を通して、人々にありのままの幸せや毎日の生活に喜びをもたらすこと

——会場の壁に掲げられたアルミ・ラティアの言葉に、マリメッコの原点が詰まっています。

アール・デコの館に、マリメッコのドレスが咲く

本館の入口では、さっそくマリメッコの大きなファブリックが出迎えてくれます。

1933年に建てられた旧朝香宮邸のアールデコのインテリアと、マリメッコの明るい模様。

意外な組み合わせですがしっくり馴染んでいて、この先にワクワクします。

「クローク・展示スペース」に飾られているのは、脇阪克二さんの《カルッセリ(メリーゴーラウンド)》

マリメッコにたくさんの作品を提供した脇阪克二さんの1973年にデザインされた代表作です。

脇阪克二《カルッセリ》Katsuji Wakisaka《Karuselli》1973

脇阪克二(わきさか かつじ、1944年- )は、日本のテキスタイルデザイナー、マリメッコやラーセン社を経て、SOU・SOUのテキスタイルデザイナーとして活動しています。

アール・デコとマリメッコは、生まれた時代も場所も異なりますが、幾何学的な形や繰り返される模様、色彩を大切にしているところには共通点があります。

旧朝香宮邸の直線的な装飾や繊細なガラスのデザインと、マリメッコの大胆なプリント。

建築とファッションという異なる分野のデザインが、ひとつの空間で響き合っているように感じました。

ドレスだけでなく、その背景にある壁や扉、照明にも目を向けると、また違った楽しみ方ができる展覧会です。

秩序とリズムー抽象模様のダイナミズム(大客室)

客間にあたる大客室の展示は写真撮影が可能でした。

大理石の壁や木の扉、エッチングガラスの前に、ドレスやテキスタイルが美術品のように、1品ずつ展示されています。

壁のレリーフ装飾や照明器具など、部屋の装飾と模様を見比べながら歩くのも楽しいです。

1960年代から現代まで、時代を超えるドレス

本展では60点を超えるドレスが展示されています。

初期の貴重なドレスから、現代のコレクションまで、「すてき、着てみたい!」と思えるものがたくさんありました。

アンニカ・リマラ《ケイダス》のドレス《パヴィルヨンキ》1967年

アンニカ・リマラの図案《ケイダス》(オアシス)のドレス《パヴィルヨンキ》(パビリオン)は1967年の作品。

黄色とラベンダーのうねるような模様が、半世紀以上前のものとは思えないほどモダンです。

《ケイダス》の図案を使ったドレス ミカ・ピーライネン《イサベッラ》2015年

同じアンニカ・リマラの《ケイダス》(オアシス)の図案でも、2015年のドレス《イサベッラ》では紺とブルーの配色です。

2016年春のパリ・ファッション・ウィークに合わせて制作されました。

同じ模様が、時代を超えて違う表情を見せてくれるのが面白いです。

《リンッシ》のロングドレス《ヴァロンヘイッタヤ(スポットライト)》1967年

楕円形が流れるように並ぶ《リンッシ(レンズ)》は、カーリナ・ケッロマキによる1966年のデザイン。

マリメッコのパターン・アーカイヴのなかでも特に貴重な図案のひとつだそうです。

ロング丈のAラインシルエットが、模様を引き立てています。

なぜマリメッコの模様は時代を超えて愛されるのか

1967年の《ケイダス》と、同じ図案を使った2015年のドレス。

約半世紀の時間が流れているのに、どちらも古さを感じさせません。

マリメッコの面白さは、ひとつの図案が完成した時代にとどまらず、色や素材、服の形によって新しい表情を見せることだと思います。

流行が移り変わっても、デザインそのものが持つ力は色あせない。そんなことを感じさせてくれる展示でした。

時を超える花模様(大食堂)

朝香宮邸の大食堂、カーテンから光が差し込む曲線の窓の部屋には、色鮮やかな現代のドレスが並びます。

アンッティ・ケッキ《コルミッコ》のドレス《カルケロ》2022年

アンッティ・ケッキの《コルミッコ(3つ子)》は、マリメッコの大胆なデザイン哲学へのオマージュとして2022年に生まれた図案。

ドレスのカットを引き立てるように花びらが広がります。

ペンッティ・リンタ《ヴィーダッコ》のドレス《クティトゥス》

ペンッティ・リンタの《ヴィーダッコ(ジャングル)》(1981年)を使ったドレス《クティトゥス(くすぐり)》も、軽やかで素敵でした。

こちらの大食堂の装飾、天井を見上げると照明器具がフルーツレリーフで、展示とぴったり合っています。

花を描かない花柄「ウニッコ」

マリメッコといえば、やっぱり《ウニッコ》!

花を愛したアルミ・ラティアは「花はあまりにも美しく、テキスタイルに表現するにはふさわしくない」と、花柄には否定的だったのだそうです。

それに異を唱えたのがマイヤ・イソラ。花を写実的に描くのではなく、抽象化して自然のエネルギーとスケールを伝える図案として、1964年に《ウニッコ》をつくりだしました。

フィンランド語で「ウニッコ」はケシの花です。

2階・北の間では皆川明のインスタレーション

ものづくりの精神でマリメッコとつながりを持つデザイナー、皆川明さんのインスタレーションが『皆川明との新たなクリエイティブ・ダイアローグー国境・領域・時を超えて』が展示されています。

皆川明さんがデザインし、マリメッコのプリント・ファクトリーで制作されたファブリックと、マリメッコのアーカイブファブリックを使った、創造的な空間です。

皆川明(みながわ あきら 1967-)は、日本のファッションデザイナー、独自のデザインブランド「minä perhonen(ミナ ペルホネン)」の創業者です。

(minä perhonen(ミナ ペルホネン)の展覧会の記事はこちらです↓)

新館ギャラリー・6つのカテゴリーで読み解く模様

新館ギャラリーに移ると、雰囲気はがらりと変わり、新館の空間を生かした展示が広がります。

マリメッコでは、アーカイヴの図案を「建築」「風景」「植物」「花柄」「ストーリーテリング」「装飾」の6つのテーマに分類しているのだそうです。

プリントを機械的に分けるためというより、社内のコミュニケーションツールとして使われているもの。

《カイヴォ(泉)》は「建築」、《ウニッコ》は「花柄」、《ペトローリ(石油)》は「装飾」・・・

見慣れた模様を新しい視点で眺められます。

ヘルシンキのプリント工場を体験 「Factory as a Playground」

アートユニット・plaplax(プラプラックス)による映像インスタレーション《Factory as a Playground》。

実際にヘルシンキのマリメッコ本社のプリント・ファクトリーを訪れたplaplaxが、印刷でデザインが生まれていく工程を表現した作品です。

plaplaxの映像インスタレーション、壁一面に投影されたウニッコ

会場の中央には、長い印刷台。真っ白な生地の上に版がセットされ、色が一色ずつ重なって、ウニッコがだんだん姿を現していきます。

奥の壁には、さまざまな模様が次々と映し出されて、まるで模様の中を歩いているかのよう。

工場を見学しているような空間でした。

plaplaxは、インタラクティブ作品の制作をベースに、空間、映像、プロダクトなど、領域を横断しながら活動しているグループです。https://plaplax.com/

版と道具に見る、プリントの手仕事

マリメッコのファブリックは、創業当時はハンドスクリーンで、1973年にヘルシンキのヘルットニエミに工場を構えてからはフラットスクリーン印刷機も導入されました。

現在のプリントはすべて機械を使っていますが、そのすべての行程は今でも職人の手と眼を通して行われているそうです。

会場には、実際に工場で使われているロータリースクリーンの版や、インクのバケツなども展示されています。透けて見えるウニッコの版、きれいでした。

アンッティ・ケッキのコラージュ

アンッティ・ケッキ《アルマナッカ》2024年

ヘルシンキを拠点に活動するグラフィックデザイナー、アンッティ・ケッキは、2019年からマリメッコと協働。

ハサミで自由に紙を切り出した形を組み合わせる、大胆なコラージュ技法で知られています。

2022年にはウニッコ誕生60周年を祝い、《ウニッコ》に寄り添う図案として《セッペル》を発表しました。

アンティ・ケッキ《セッペル》Antti Kekki Seppel-2024

Seppel(セッペル)」=花輪(はなわ)

アンッティ・ケッキの切り紙コラージュのデザイン

カフェの限定スイーツは「花咲くドレス」

マリメッコ展特別デザート、ローブ・フルーリ「花咲くドレス」

東京都庭園美術館のcafe TEIENでは、展覧会とコラボしたデザートが登場します。

ローブ・フルーリ「花咲くドレス」ホワイトショコラとベリーのムース(950円)は、マイヤ・イソラの《ウニッコ》からインスピレーションを受けたもの。

ラズベリーとブルーベリーの鮮やかな色のムースに、花が飾られていて華やかです。

展覧会の図録は必見です

展覧会の図録ですが、マリメッコの誕生から現在までを知る資料として、ファン必見の書籍です。

展示で読みきれなかった文章や、さらに深堀りしたマリメッコについての解説など、読みごたえがあります。

そして、図録の製法は糸綴じ製法でまっすぐに開きます。この方法の図録は見やすくて好きです。

展覧会情報

マリメッコ展 模様のちから
Marimekko: Art of Printmaking —Beauty, Dream, Love
会期:2026年10月3日(土)〜12月20日(日)
開館時間:10:00〜18:00(入館は閉館の30分前まで)/11月6日(金)、13日(金)、20日(金)、21日(土)、27日(金)、28日(土)、12月4日(金)、5日(土)は20:00まで
休館日:毎週月曜日(10月12日、11月23日は開館、10月13日、11月24日は休館)
会場:東京都庭園美術館(本館+新館) 東京都港区白金台5-21-9
観覧料:一般1,400円、大学生(専修・各種専門学校含む)1,120円、高校生・65歳以上700円、中学生以下無料

これから行く方へ

・日時指定予約制:来館前にチケット購入が必要
・写真撮影について:原則不可、一部撮影OKの表示がある部屋は可能
・平日特典:先着でオリジナルミニカード1枚を配布(なくなり次第終了)
・鑑賞時間:館内滞在時間に制限なし
・ロッカー:あり(100円コイン戻り式)

公式サイト:東京都庭園美術館「マリメッコ展 模様のちから」

展覧会を観て感じたこと

マリメッコの模様は、洋服やバッグ、食器など、私たちの暮らしの身近なところにあります。

今回の展覧会では、その一つひとつの模様が、デザイナーの自由な発想や試行錯誤、そしてプリント工場のものづくりによって生まれていることを知りました。

60年以上前のドレスが今も新鮮に見えること、歴史ある建築の中で鮮やかなプリントが生き生きと輝いていること。

見終わったあと、身の回りにある模様を、いつもより少し丁寧に眺めてみたくなる展覧会でした。

ぜひ、マリメッコのカラフルな世界を体験してください。

このブログでは切手デザインや美術館情報などをご紹介しています。 

SNSでは手のひらにのる小さなアート「1枚の切手」、街で見つけたアートなどを投稿しています。

フォローしてくださるとうれしいです!

facebook Postio Marche

X @postio_marche

Instagram mylittleart_studio

外国切手のウェブショップ ポスティオ・マルシェ https://www.postio.jp/

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!

コメント

コメントする

CAPTCHA


目次