2026年7月10日から9月6日まで、有楽町・東京国際フォーラム地下1階の「YURAKUCHO MUSEUM」で開催中の『可愛いだけじゃない!?ピングー展』を観てきましたのでご紹介します!
タイトルのとおり、あの丸くてかわいいクレイアニメ「ピングー」の、知られざる誕生秘話や制作の裏側にもぐっと迫る、見応えたっぷりの体験型展覧会でした。会場は「遊園地」がテーマになっていて、写真映えするフォトスポットもたくさん。子ども連れはもちろん、大人だけで行っても十分楽しめる内容です。

スイス生まれの「ピングー」って、どんなキャラクター?
「ピングー」は、1980年にスイスの映像作家オットマー・グットマンさんの手によって原形が生まれたキャラクターです。クレイ(粘土)で作られた人形を1コマずつ手で動かして撮影する、ストップモーションアニメという手法で制作されており、1日でわずか3秒分しか撮れないこともあったのだとか。
膨大な時間と労力、そして愛情が注がれた『ピングー』のTVシリーズは、世界155以上の国と地域で放送され、あたたかでユーモアあふれる物語が世界中の人々に愛されてきました。せりふは意味のない喃語のような「ピングー語」だけなのに、表情や動きだけで感情がしっかり伝わってくるのも魅力のひとつです。

45年の歩みをたどる「PINGU HISTORY」
会場の一角には、1980年の誕生から現在までの歴史をたどる年表パネル「PINGU HISTORY」が展示されていました。
1986年に発表されたパイロットフィルム『南極からやってきたピングー』が翌年ベルリン・フィルム・フェスティバルに入賞。1990年からスイスでテレビ放送が始まり、日本では1992年にWOWOWで初放送されました。1993年にはオットマーさんが逝去するという出来事もありましたが、新スタッフのもとで制作は継続。2017年にはCGアニメーションの新作『ピングーinザ・シティ』もスタートし、2026年には45周年を記念して今回の「ピングー展」が開催されるに至った、という流れがよくわかる構成になっています。
制作当時の台本や、実際に撮影に使われたクレイ人形の現物も展示されていて、ファンならずとも見入ってしまう内容でした。

ピングーの、そのまんまがかわいい
会場の解説パネルで印象に残った一文があります。「苦手なほうれんそうを食べたあと、目を回したようなユーモラスな反応を見せたり、ロビを驚かせようと全力でおかしな顔をしたり。どんな気持ちもストレートにあらわすピングー。」
たしかに、ピングーはうれしいときも、怒っているときも、驚いたときも、いつも全身でまっすぐに表現します。その飾らないまっすぐさが、見ている人の心にすっと届くのだと思います。大人になった今見ても、なんだかほっとする気持ちになりました。

おうちの中まで、まるごとジオラマに
展示の見どころのひとつが、ピングーの家の中を再現した精巧なジオラマです。
ピンク色のかわいいダイニングでは、ピングーとピンガがよだれかけをつけて食卓を囲んでいて、お皿には粘土で作られた麺料理やお魚がリアルに再現されています。バスルームには、あひるのおもちゃと一緒にお風呂に浸かるピングーの姿も。トイレや洗面台まで細部にわたって作り込まれていて、家具ひとつひとつをじっくり見てしまいました。


クレイアニメーションができるまで
展示ケースの中には、実際の撮影で使われていたピングーとピンガのクレイ人形の現物、そして手書きの撮影台本が並んでいました。
台本には「EINST(Einstellung=カット)」ごとにコマ数が細かく書き込まれていて、1カットを何コマで撮るかを綿密に計算しながら撮影していたことがわかります。1コマずつ人形を少しずつ動かしては撮影する、気の遠くなるような作業の積み重ねで、あの滑らかな動きが生まれていたのだと実感できるコーナーでした。

ミニチュア写真家・田中達也さんとの奇跡のコラボレーション
個人的に今回いちばん驚いたのが、ミニチュア写真家の田中達也さんとのコラボレーションコーナーです。田中さんは、日常にあるものを別の物に見立てて撮影する「MINIATURE LIFE」というアート作品をSNS上で発表し続けているクリエイター。今回、身近なものをピングーに見立てた作品が、このコラボのために誕生しました。
おにぎりとたくあんで作られた「おにぎりピングー」は、海苔の羽根と黄色いたくあんの足がなんとも愛らしい一枚。セロハンテープの芯をソリに見立てて、氷の世界でピングーとピンガが遊ぶ作品もありました。身近なものが一瞬でピングーの世界に変わる発想力に、思わず笑ってしまいました。


巨大ピングーと、遊園地みたいな会場
会場の後半は、黄色と青のチェック柄がまぶしい「遊園地」ゾーン。天井から吊るされたキャラクターたちや、寝そべる巨大なぬいぐるみのピングーが出迎えてくれる、絶好のフォトスポットになっていました。
最後の部屋では、風船を持ったピングーたちや、屋台、メリーゴーランドを思わせるジオラマが並び、まるでピングーと一緒にお祭りに参加しているような気分に。展覧会全体を通して、ピングーの世界にすっぽり入り込んだような、幸せな時間を過ごせました。


せりふがなくても、まっすぐな仕草だけで気持ちを伝えてくるピングー。かわいいだけじゃない、その表現力の豊かさとものづくりの丁寧さに触れられる展覧会でした。
展覧会情報
可愛いだけじゃない!?ピングー展
会期:2026年7月10日(金)~2026年9月6日(日) 会期中無休
開館時間:通常10:00~18:00(最終入場17:30)/土日祝・特定日10:00~20:00(最終入場19:30)/8月1日以降10:00~19:30(最終入場19:00)、土日祝・特定日10:00~21:00
会場:YURAKUCHO MUSEUM(東京国際フォーラム地下1階)
公式サイト https://pingu-exhibit26.jp/
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